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死ぬことも眠ることも忘れることもできず

■松井智惠展「寓意の入れもの ー AN ALLEGORICAL VESSEL」(信濃橋画廊) 一貫したテーマのシリーズとして続けられている制作のようなので、今回だけではよけいに意図が解りにくかったのかも。水と火のあいだに鏡(あるいは水銀?)を思わせる映像を並べたビ…

見なきゃ損

というわけで、真夏のギラギラした陽射しを浴びつつまたも市中をひと巡り。 常設展「源氏香の世界」と「現代京都画壇による源氏物語絵」(京都文化博物館) 関連リンク:京都文化博物館で「源氏香の世界」展-松栄堂松寿文庫所蔵品を展示 - 烏丸経済新聞 ガ…

志村ふくみ展に欲求不満

生誕100年記念『ブルーノ・ムナーリ展 あの手 この手』 源氏物語千年紀 in 湖都大津 関連企画『人間国宝・志村ふくみ源氏物語を織る』 滋賀県立近代美術館 小規模な常設展示ではあるが、いちおう志村ふくみ作品のほうが目当て。でも作品に添えられた解説が貧…

スイス国民的画家と御所人形を掛け持ち鑑賞

アンカー展 〜故郷スイスの村のぬくもり〜(美術館「えき」KYOTO) 《日本ではあまり知られていませんが、国民的画家として本国の人々に親しまれ、その作品はスイス国内の多くの美術館などに所蔵されています。》という説明から、やや通俗で平板なイメージを…

湖岸の風に吹かれて

『絲・彩・祭』絲紫野工房(飯森よしえ) 蘆花浅水荘(滋賀県大津市) 絲紫野工房の草木染め作品展を見に行った。会場の蘆花浅水荘は、日本画家の山本春挙が、師匠と両親を供養するために記恩寺というお堂を含めて建てた別邸。ふだんは見学するのに予約が必…

五月晴れと鞍馬天狗

ことし1月に鞍馬寺へお参りに登ったとき記念に購入した「降魔扇」を、初めて飾ってみました。 図柄は護法魔王尊と脇侍の遮那王(牛若丸)です。災禍抜除(禍いを払い清める)破邪顕正(よこしまを正す)のいのりがこめられております。浄風と共に、清めの活…

雨の日はスニーカーで展覧会めぐり

緊急おすすめしたいイベントなので、とりあえず書いて後で訂正などするかも。 『祇園舞妓衣裳展』 染・清流館 先日『女流六人展』のことを書いた時には生きていた「染・清流館」のHPが、現時点ではなぜか消滅してます。魚拓を取っておこうと思ったのは虫の知…

売れ筋をいろいろ見学

「中山忠彦 永遠の女神展」*1(高島屋京都店グランドホール) 「山岡善昇作陶展」(高島屋京都店美術画廊) *1:参考リンク←市川市文化会館にて平成13年に開催された「中山忠彦・美の世界展」のようす。今回の展覧会とは違う内容ですが、雰囲気がよくわかりま…

洛中から桂川は遠いでぇ、と盛り上がる我々

いったい何年ぶり?の文楽ライヴ鑑賞。そんな私なので云々する資格はないのですが、並んだお顔をみるだけでなんとなく文楽界の世代交代は感じました。 文楽4月公演 国立文楽劇場(大阪日本橋) 『日吉丸稚桜』 ・駒木山城中の段 『桂川連理柵』 ・石部宿屋…

どこかでみたような

まあ、なんてこと!作者: デイビッドスモール,David Small,藤本朝巳出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2008/01/01メディア: ハードカバー クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る

東西の女、つくる女

『源氏物語千年紀に因んで - 王朝絵巻 女流六人展』 (魚拓) 染・清流館*1 『ユキ・パリス コレクション ヨーロッパ・アンティークの手仕事展』 美術館「えき」KYOTO そこに固有の名が記されていたりいなかったり、自分がやっていることが「芸術」とか「創造…

美しいウクライナ・イースターエッグ

伊豆・函南町に住んでいるHKさん&MKさんの、イースターエッグに関するサイトを見つけました。長年ご自身で作ってこられた華やかなエッグの画像がいっぱい。リンク集も充実してます。 →Medley from Kannami(伊豆・函南からの寄せ集め)

洋館が懐かしい不思議

ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展 平成20年(2008) 2月9日(土)〜3月30日(日) 於:滋賀県立近代美術館 神戸女学院や関学のキャンパス全景を再現した模型や、設計図面がたくさん展示されていたので、建築に関心のある人が見たらもっと興味深かったかもしれ…

びみょう

【平城遷都1300年祭:マスコットキャラに市民から批判 】- 毎日jp(毎日新聞) ミハリータさんも注目のご当地キャラですが、やはりcontroversialだったようですな。 「仏に角を生やすなんて」については、習合スタイルとして良いやないか、と思ってまし…

ふさわしい衣装/意匠

前にも書きましたが、お菓子屋さんの包装紙とか展覧会のチラシで気に入った物をブックカバーとして使うのが、私のささやかな楽しみです。 某所で見つけた、アゴタ・クリストフ『怪物』に基づくダンス公演のチラシは、紙質・配色・レイアウトが凝っていてしか…

内藤ルネ/“ロマンティック”よ永遠に

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美術館「えき」KYOTO開館10周年記念 内藤ルネ展 “ロマンティック”よ、永遠に 1月31日(木)〜2月17日(日) 私にとっての「内藤ルネ」は、くっきりした輪郭線に囲まれたいちごやパンダのイラストが描かれた透明シールの人だった。子供のころに買ってもらったそん…

市内大廻り的アート鑑賞dayを記録

堀川寺之内からスタートして、歩いた歩いた。(以下、すべて敬称略) 宝鏡寺にて【人形展50周年記念 人形の寺・宝鏡寺人形公募展】 招待作家の中に伊東久重、面屋庄甫などの古典ものの人だけでなく与勇輝、森小夜子など現代創作ものの作家も含まれていたの…

高橋真琴さんの原画展2007

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《フォーチュン☆テリング〜真琴の夢占い〜》 2007.11.2(金)〜11.25(日)(於:ギャラリー小さい芽)

優しい日本画、日本のお菓子

大汗だらだら流しながらたどり着くと、そこには静謐な世界が。 高島屋美術部創設百年【画業70年 自然と共に生きて 堀文子展】 Yahoo!ニュース - 京都新聞 - 「自然と共に」感動刻む 堀文子展が開幕 菅原 さちよ展〈日本画〉【「春秋心葉」−Haru Aki kokoroha…

向かい合う作品

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[ダイアローグ]コレクション活用術 vol.2/伊庭靖子、児玉靖枝、佐川晃司、渡辺信明 平成19年(2007) 6月16日(土)〜7月29日(日) 滋賀県立近代美術館 館蔵品と現代作家の作品とを一緒に展示することで新たな視点から作品を観ようという試み。主催・企画者側…

着物のミニチュア「七夕さん」

紙のミニチュア着物「七夕さん」。幕末から明治にかけて、京の女の子たちが七夕になると裁縫の上達を祈って作ったそうです。 2000年に京都文化博物館で『京の五節句展』が開催された際に復元され、会場でミュージアムグッズとして販売されました。和紙に(印…

高橋真琴さんの個展2006

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昨年の個展には結局行くことができなかったのですが、とうとう今年は行ってまいりました夙川へ(真琴先生在廊の日にはどうしても行けず残念)。 今回のテーマは《スターライト・シンフォニー 新星交響曲》、音楽に関わる場面や衣装を描いた作品が多く展示さ…

街のなかの過去と今

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『川村悦子展 あるべき自然のかたちを求めてーnatura mortaへの試みー』 2006年5月29日(月)〜6月10日(土) 会場の「番画廊」は、西天満の大江ビルの1階にあります。古典と現代が交錯するような川村氏の作品は、この街で普通に使われ生きている、レトロな…

御用画家の生涯

昨年11月に放送されたNHK教育『日曜美術館』の「皇帝の画家 ダヴィッド」、録画しといたのを今ごろになってやっと観た(とはいえ『栄光の大ナポレオン展』の関西巡回はこれからなので、タイムリーといえばタイムリー)。 ゲストの佐藤亜紀さん(を観るのがそ…

刺しゅう展をつづけて堪能

美術館「えき」KYOTOで『韓国伝統パッチワーク 韓国古刺繍とポジャギ展 福を呼び、福を包む』を観てきました。 先月の『草乃しずか日本刺繍展 −源氏物語そして命の輝き−』そして今月と、刺しゅう・手芸ファンにはうれしい展示が続きました。特に草乃しずかさ…

高橋真琴さんの個展

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毎年11月には、西宮の夙川で高橋真琴さんの個展が開かれます。いつも美しい案内状を送って頂き、年賀状と合わせて、今では私の大切なコレクションです。 わたしにとって高橋真琴さんのイラストと言えば、なんといっても子供時代に見た『デラックスマーガレッ…

花灯路のならぶ町で

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『フィレンツェ − 芸術都市の誕生』展(京都市美術館) コジモ・デ・メディチ1世、なかなか男前。(目つきがちょっとローレンス・フィッシュバーン!)ほかに甲冑姿の肖像画もあって、かっこよかったです。 あまり豪華なものではないですが、彩色写本がいく…

翼の生えた妄想

アドヴェンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ『白鳥の湖』 (マシュー・ボーン振付・1996年ロンドン) アダム・クーパー(白鳥)、スコット・アンブラー(王子)、フィオナ・チャドウィック(女王)、バリー・アトキンソン(報道官)、エミリー・ピアシー(…

オークションは不思議なり

12/2に見た『スリーパー・眠れる名画を探せ』の残り。 画商界(?)のシャーロック・ホームズといわれる名画探偵だけあって、このPhilip Mould氏なかなかスタイリッシュ。平日は仕事場の画廊に近いロンドン、週末は家族と過ごすオクスフォードと2つの住まいを…

ドイツロマン派に今ごろハマっても手遅れかも

季刊『幻想文学』第65号「神秘文学への誘い」読了。 なんだかすごくマニアックな特集で、この号を読まなければたぶん一生読まなかったような詩などが掲載されていました。 それはともかく、挿絵に使われていたフリードリヒ Caspar David Friedrichの絵、初め…