あのひとたちもステッチャーかも・・・


 引き続きリネンにしつけを掛けながら、ゆうべ録画した番組を観る。

 ペルー山奥の遺跡を訪ねて、すげー強行軍をさせられる女性リポーターが哀れを誘う。本人がそのテーマに本当に興味を持っていないと、さぞ辛いでしょうね。
 侵略者スペイン軍に再び立ち向かうべく決起した、インカ最後の皇帝がトゥパク・アマル。そうか、元ネタはこれだったのねー。さすがに番組ではゲリラ組織のことには触れてませんでした。



 この番組が定点観測的に描き続けている、州兵と家族のシリーズ。
 シリーズの始め頃に、父子とも州兵に登録しながら、まだ十代の息子だけ性格面で不適格と判定され任務を解かれてしまう場面があった。今回、その父親が瀕死の重傷を負って帰還した。息子は、自分だけがイラクに行かなかったことに負い目を感じずにいられない。
 イラクで任務に就いている間はそれなりに高額な手当てが支給されるが、いったん離脱すると単なる州兵の扱いに戻ってしまう。医療費もほとんど自己負担だそうだ。負傷したことで受け取れるはずの手当も、ろくに知らされないまま手続期限を過ぎてしまったりする。
 奨学金が目当てだったり、日本でいうなら地域の「消防団」ぐらいの心持ちで登録するのであろう「州兵」に、理不尽な運命が降りかかっている。画面に登場する兵士や家族は、みな素朴でシンプルそうな人たちばかりだ。いかにもクロスステッチやキルトを趣味にしていそうな、お尻の大きなのどかな妻や母たち。それがよけいにやりきれなさを増幅させる。