不安な夢

 昨日の悲しい大事故で衝撃を受けたというか、漠然と不安感を抱えたまま眠ったせいもあったのだろう、明け方にまた不思議な夢を見た。


 もう何年も会っていないKさんと手をつないで、薄暮のようなうすむらさきの大阪の街をどこかに向かって歩いている。私の左手と、Kさんの右手。手のつなぎかたが心配で、何度も手を放しては一生懸命つなぎ直している夢だった。
 
 実際に事故が起きた鉄道路線は、私もほとんど利用したことがないし、Kさんの生活エリアからも離れているので、家族を含めて巻き込まれた恐れはほぼ無いに等しかった。でもそういう現実的な理屈とはべつに、何か特別に不安なこと・怖い思いが生じたときに無条件で気持ちが向かってしまう先があることを知った。
 同時に、当たり前のように思っている平穏な毎日がどれほど脆いものであるか、多くの人が感じたのと同じように私も痛感した。