オーパーツ?

 東芝の創業者でもある江戸時代の天才職人、「からくり儀右衛門」こと田中久重が設計した機械式和時計。 オリジナルは国立科学博物館所蔵で、復元品が 「愛・地球博」で展示されているというものです。
 その復元のようす(東芝と国立科学博物館との共同プロジェクト)を扱ったドキュメンタリー番組です。

 
 とにかく時計の仕掛けが信じられないほど複雑精緻、しかも華麗な装飾も施されていて、「出来うる限りの最高のもの全部入り!」という情熱がひしひしと伝わってくるような時計なのです。*1
 詳しい写真の載っているサイト→ここ

 それにしても、季節によって昼夜そして一時[いっとき]の長さが違う、和式の時間制度に合わせて、文字盤のいわば目盛が自動的に伸縮する、という和時計のしくみには驚嘆するしかありません。こんなものを作ろうと思いつくこと自体も凄いし、発想と理論と手仕事のすべてが揃わないと実現しないわけだから。見ていると、スチームパンクという言葉が頭に浮かびました。

*1:番組では「時計」としての技術的な面が中心で、装飾のほうはあまり詳しい紹介がなかったようなのが少し残念。螺鈿・七宝・蒔絵などの技法が用いられているそうです。