驚愕のバッファロー・ビル

 毎週欠かさず見ているドラマ。
 NHK-BSでの放映は、もうすぐ(アメリカでの)第2シーズン分が終わるあたりらしい。病的に潔癖性の私立探偵モンクが、その並はずれた観察眼を活かして事件を解決しつつ、もう一つ彼にとってどうしても解かねばならない難問=妻を殺害した犯人を見つけ、自らのトラウマを乗り越えること=に挑むという筋書きの、コメディタッチのドラマである。
 
 ところで、モンクと反発したり協力したりしながら事件を解明する、ストットルマイヤー警部という登場人物がいる。モンクにはしばしば嫌味を言ったりするけれど、人情味があって愛妻家の、けっこう好人物として描かれている。この役を演じているTed Levineという俳優、顔に見覚えがあるわけでもなかったのだけど、名前のほうが何となく聞いたことがあるように思えたので、調べてみてビックリ!!!


 なんと、あの『羊たちの沈黙』で若い女性を次々殺害した残忍な殺人鬼、バッファロー・ビルを演じた人だったのである。これを知ってしばらく呆然としてしまった。
 『羊たちの沈黙』のバッファロー・ビルは(ご覧になった方ならお解りでしょうが)余りにもおぞましく異常な倒錯者なので、むかしこの映画を見たとき「あ〜、この役をやってる俳優、こんな役やってしまうと後の仕事はなかなか難しいやろなぁ」と思った記憶が私には鮮明に残っている。それで気になって、Ted Levineの名前がちょっと頭に残っていたのかもしれない。でも今回、ストットルマイヤー警部を毎週見ていても、風貌がバッファロー・ビルとはまるっきり違っているので、まさか同じ俳優だなんて思いもよらなかった。


 IMDbに載っているプロフィールにも、「バッファロー・ビルを演じて以来、サディスティックでサイコな役以外の仕事を得るのに苦労してきた」というような事が書いてあり、やっぱりなぁ・・と思った。

 さいわい『名探偵モンク』は評価も高く人気シリーズとして続いているようなので、ここでストットルマイヤー警部という愛すべきキャラクターを獲得したことは、テッド・レヴィンさんにとっては良かったと思う。これからは忘れず注目していきます。