古風なサスペンス


 私らしくもない&今ごろどうにも時季はずれだが、2005年版の『このミステリーがすごい!』と『SFが読みたい!』(後者はかつて一度だけ買った年度有り。前者は読んだことナシ)が図書館の棚にあったので、ついつい借りて帰って眺めているうちに、「ちょっと読みたい本リスト」を作ってしまった。その結果として、先日借りてきた数冊のうちの1冊。


 しかしどういうわけなんでしょう、この作者の名前はFrancis Beedingで、表紙にもちゃんとフランシス・ーディングと書いてあるのに、Amazonではーディングということになっとる。それをそのまま引っぱって来てるのでしょう、はてなキーワードでもフランシス・ーディングになってますね。しかもAmazonの「出版社/著者からの内容紹介」という欄ではフランシス・ーディングにされてしまっていてもうムチャクチャ。
 私はだいたいAmazonという会社にあまり良い感じは持っていないので、これまで本の話題を書くときもasinページなるものには一度もリンクしたことが無い(そのせいもあってこの日記には書影やビデオのジャケット画像なんかが少なくて、見た目が寂しい)のですが、この間違いはちょっとイケないと思うのでひっそり指摘させていただきました。


 さて。
ヒッチコック映画の原作」と聞いたので単純にサイコサスペンスと連想したのですが、じっさいには少しオカルト入り。○○だと思っていた人物が実は▲▲なのでは?・・という最初から読者が気づく仕掛けは早くも真ん中あたりで暴露されてしまうので、ラストにはもう1回どんでん返しがあるだろうと期待しつつ読みましたが、そういう今ふう?な結末にはなってなかった。ために、後半は『ローズマリーの赤ちゃん』ぽい雰囲気を楽しめないと、ちょっと退屈。▲▲の真の姿がボカされているところもややパンチ不足でした。もっと具体的に描いてあればそれなりに魅力的だったと思うのですが・・・


 ヒッチコックの映画のほうは、これを「原作」にしたというより「着想を得た」程度で、かなり違う話になっているそうなので、機会があればぜひ映画のほうも観たいです。原作では壮大な古城が舞台になっているのだけど、映画ではどうなのかも気になるところ。