ダリオ・アルジェントの初監督作

 どぉいうセンスでしょう、この邦題? 
 英語版のタイトルも、"Bird with the Glass Feathers"とか"The Bird with the Crystal Plumage"は原題に忠実だから良いとして、"Phantom of Terror"はダメでしょう。 "The Gallery Murders" もまぁ内容には関係しているけど魅力無いなー。すると邦題は、とにかくちょっとそそられるという意味ではマシでしょうか。


 こういう作品があること自体、テレビ放映されるまで知らなかったのですが、なかなか面白かったですよ。モチーフは革手袋に握りしめたナイフ*2、切り裂かれる女性に飛び散る鮮血・・とダリオ・アルジェントそのもの。男性が椅子に座ったまま殺害されている場面も、あざといほど(私の思うところの)アルジェントな感じです。

 また事件の鍵となる・・と思ったけど意外にどうでもよかった(^◇^;)絵画、その作者である不気味な画家(××を食べるなんて!)、前面ガラス張りの画廊に展示された奇妙なオブジェ、被害者の古びたアパートの眩暈がするような階段、主人公の住む部屋のちょっとした装飾など、眼を楽しませてくれる要素がいろいろありました。ただ、さいしょに出てきた何ちゃら財団の博物館?が、もうちょっと絡んでくるかと思ったので、その点だけ期待ハズレ。

 主人公カップルを警察が厳重に警護しているはずなのに、どうして主人公は勝手につぎつぎと危険なところへ1人で出かけていってしまえるのか・・と、犯罪サスペンスとしてアホらしい点もあれど、それはそれとして。

[参考]なにやら難しそうな分析→Kinoeye | Dario Argento's The Bird With the Crystal Plumage

*1:IMDbでは1970年となっているが、放映時の表記では1969年作品。海外の諸サイトでも両説あり

*2:犯人の「手」はアルジェント本人が演じているとか。お好きなのねぇ