番組メモ(ブレインマン&ウェストミンスター宮殿)

 天才的な計算力と記憶力を発揮する青年ダニエルが登場。たとえば円周率を何万桁も記憶できるのは、彼が数字のひとつひとつに具体的な形や色を感じるからで、数字の連なりが彼には視覚的にひとつながりのストーリーのように見えているらしい。よく「記憶法」と称されている方法は、もともと彼が無意識のうちに行っていることを真似ようとしているわけか。

 つい先日放送していた『BS世界のドキュメンタリー「“共感覚”の不思議 言葉誕生の謎に迫る」(原題:Derek Tastes of Earwax 制作:BBC/イギリス/2004年)』という番組も、これと重なる領域を扱っていた。こちらでは、あらゆる音に「味」を感じてしまうという、想像を絶する共感覚者が紹介されていた。人の話す言葉にもそれぞれ「味」がある(しかも-この番組の原題が示す通り-それが食用に適した味とは限らない!ゲゲッ)ので、話しかけられながら料理するのは難しいと言いつつ、なんと食堂だかパブだかを営んでいるのにはビックリした。

 ダニエルのように特定の分野に天才的な能力をもつ人は、その代償のように何らかの障害を併せ持っていることが多い(いわゆるidiot savant)。ダニエルは自閉症のいくつかの特徴を確かに示してはいるものの、優れた言語能力も備えており、きわめて珍しいケースだという。そのおかげで、ダニエルは彼の驚異的な認識のありようについて彼自身の言葉で説明することができ、非常に貴重な研究対象でもある。

 参考リンク→A genius explains | Life and style | The Guardian
      →Daniel Paul Tammet Boy with an Incredible Brain - Savant


 
 建物の紹介だけでなく、議会制度成立の社会的背景なども触れられていた。周知のことなのかもしれないが、びっくりしたのは英国議会下院の議席数は646なのに対し、議場の座席数が400幾らかしかなく*1、あぶれた人は立ったまま議論に参加するということ。座席はあっても机は無いみたいだし、これだと居眠りはかなり困難でしょう。日本の国会も取り入れて欲しいものです。

*1:ただしWikipediaによると定足数たったの40人ということなので、ふだんいったい何人位が出席しているのかは疑問