そうじゃないんですッ私は


 『七緒』という着物の雑誌(ムック)がありますね。(初めて「はまぞう」機能を使って本のデータを貼ってみます(^^;))



 私自身にとっての着物ブームはずいぶん前に終息してしまったので、実はこの雑誌を購読したことはない*1のですが、わりと感じの良い内容なのでちょっと気にはしています。


 最新号の広告が今日の新聞に出ていたのですが、次の1行に大きくうなずきました。

“なんだか地味”をどうにかしたい 「私を仲居と呼ばないで」


 そうそう、あるあるある(笑)。


 出入りする場所にもよるのでしょうが、たまたま私は「仲居さん」と間違われた経験は無いものの、着物を着て展覧会を観に行った時、受付に座っている人にいきなり「ご苦労様です」と頭を下げられ、「はァ?・・」となったことが。
 しかし、すぐに理由はわかりました。会場の一隅に野点ふうの茶席が設けられていて、そこへ呈茶の手伝いに来たお茶のお弟子さんと間違われたらしい。母に貰った臈纈(ローケツ)の羽織(←羽織も当時まだそれほど流行ってなくて、わりと珍しかった)を着て、自分ではオシャレしたつもりだったんだけど=つまりお稽古系の人の、教科書通りの無難な着物とはちょっと違うつもりだったんだけど。というわけで、ややショックだったことを思い出します。


 ちょっと前までは、着物を着て出歩く人といえば茶華道か邦楽関係、着付けの先生、でなければ水商売の女性に限られるというような世間の見方がまだあったようだし、別に何と言うことのない着物でもタクシーの運転手さんに「お茶会ですか」とか「きょうは何かお祝い事でも?」と尋ねられるなどという話も聞きました。近ごろの着物ブームで、何でもない日の普通のお出かけにちょっと着物を着るという人が増えたはずなので、だんだん周りの目も変わってきてるだろうと思いますけど。
 すっかりご無沙汰だけど、また着物で出かけたいなぁ・・・(←懲りてない)

*1:私が着物情報に激しく飢えていた時期には、専門誌といえば季刊の『美しいキモノ』と年3回の『家庭画報きものサロン』しかなく、『ハイミセス』『なごみ』などに時折載る着物の記事を心待ちにし、たまに着物に関するエッセイ本やムックなど出ようものなら飛びつくように買っていた。今そんなことしたらお金がどうにも足らないぐらい、次々と着物関連本が出て、あの頃と比べたら夢のような活況なのである。