牛に共感する人


 主にサヴァン症候群を取り上げた3回シリーズらしく、詳しい内容がこちらの記事に紹介されている→
まんぷく::日記 - サヴァン症候群のドキュメンタリー「脳 未知のフロンティア」


 第1&2回は横目でザッとしか観ていなかったのだが、第3回に登場したテンプル・グランディン博士という女性にとても驚いた。
 アスペルガー症候群を持つ*1彼女には、人の表情や気持ちを読みとることはきわめて困難である。だが、動物の気持ちが判るという彼女はなんと、家畜が不必要な恐怖や苦痛を感じることなく「処理」されるための、食肉処理施設の設計にたずさわっているのだ。公式サイトには、Humane Slaughter(「人道的な屠畜」と訳すのか)という項目がある。
 殺される直前の動物の恐怖が伝わる・感じ取れるとしたらどんな気持ちだろう? その手の超自然的能力を主人公が有する、という設定の刑事もの海外ドラマは時々見かけるけれど・・・それこそ想像を絶する体験というやつ。でも、番組では「それを感じる時彼女はどう思うのか」についてはほとんど語られてなかった。
 自閉症アスペルガーもその一種)の人にしばしばあるように、グランディン博士も他人から身体に触れられることが極度に苦痛だった。それを克服するために自ら考案したという、身体全体をソフトに締めつけるマシーンも番組で紹介されていて、(こう言っては何ですが)モンティ・パイソンか何かのギャグを見ているような気分だったが、大いに真面目な実話なのだった。


 *グランディン博士について詳しく紹介されている記事(本人の公式サイトへのリンクもあり)→テンプル・グランディン:アスペルガーのヒロイン [ EP: end-point 科学に佇む心と身体Pt.2]

*1:何て言うのが正しいのかしら?「〜症候群の」「〜症候群である」「〜症候群をわずらう」??