- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/09/08
- メディア: 文庫
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演歌専門チャンネルを何時間も聴き続けたようなグッタリ感・・妄執とか血縁とかいうドロドロしたテーマを扱っているせいだけではなく、登場人物たちの会話や身振りがそう感じさせる。とくに木場の旦那、演歌プラス劇画かな。「おしょうゆ味がきつすぎ」は「日本的」ということに加えて、非関西ふう味付けのものを食べた時にまま感じる(だしの旨味より醤油辛さが勝った)あの味でもある。
京極堂が長広舌をふるい始めると、なぜかデーモン小暮閣下が目に浮かんで仕方ない。蘊蓄の豊富さが連想させるのか。作者京極夏彦さんがテレビでしゃべっているのは見かけたことがあるし、雑誌のインタビューに答えているのも読んだことがある。本人のお話は面白く、人柄もさっぱりしてなかなか素敵そうと思った(この点も閣下に同じ)。でも小説はあまり好みじゃない。なぜこんなにくどくなってしまうのかな。サービス精神があふれすぎ?
ところで、この文庫版のカバー袖*1に、作中に出てくるキューブ型建築物とおぼしき画像が印刷されているのだが、これについては何の説明もない。今月公開の映画では当然この建物も視覚化されているはずだが、この文庫が出た時点ではまだ映画はできてなかったのではないかしら。これは果たして「絵」なのか「写真」なのか、「オブジェ」なのか?ちょっと不思議。