バッハ・コレギウム・ジャパン『マタイ受難曲』

 2日前の埼玉公演を聴かれた「さわやか革命」さん

フライング・ブラボーが全くなかったのは奇跡的。

って書いておられましたが、大阪会場ではブラボーそのものが無かったと思います。盛大で熱心な拍手はもちろんありましたが*1。受難曲リテラシー(またはバッハリテラシー?)が高いとも言えるし、そういう人しか来ていない客層の狭さ、とも言えるかも。ふだんから大阪ではブラボーが少ないのかも知れませんが、私はめったにコンサートに行かないのでわかりません。


 さて、BCJの『マタイ受難曲』を聴くのは1999年春以来の2度目です。あれから私も少しはこの曲に馴染みましたが、巨大すぎてまだ見知らぬ部分も多々あり(--;)
 今回のソリストは初めて聴く人ばかりだし、楽器構成も前回とは違ってます。まず歌唱が意外にロマンティックな印象でした。古楽らしからぬ脂ッ気があると言うか…しかしこの曲にはあのくらいの熱さも似合うと思いました。私が一番聴きたいのはアルトのアリアなのですが、ダミアン・ギヨンさんの歌声は非常に明晰でしなやかな感じ、うっとりしてしまいました。バスのアリアにも好きな曲が幾つかあり、今回のドミニク・ヴェルナーさんの歌唱もとても味わい深かったです。エヴァンジェリストのヤン・コボウさんはかっこいいですね!


 以下余談。BCJはバッハの『ヨハネ受難曲』を2回録音CD化(95年と98年)しているのですが、私は新盤のほうを持っておきたいとかねてより思っていたので、演奏会当日、ロビーに設けられたCD売り場へ行ってみました。ところがそこで単体として置かれているのは旧ヨハネのディスクだけで、新ヨハネのほうはマタイとのツインパック?で8000何百円だかする品しかありませんでした。うーん、お値段的にも厳しいし『マタイ』のCDは買うつもりは無かったから…と落胆。
 と、販売係のお姉さんAが、くだんのディスクを指さしながらお姉さんBに向かって囁いているのが聞こえました。「これ(単体の旧ヨハネ)はこれ(ツインパックに入ってる新ヨハネ)とは同じじゃありませんでした。間違ったことを言ってました。すみません」おぉ、やはりお姉さんも混乱しますよね。するとひょっとして「同じですよ」と言われて「ばらばらに買うよりもお得やわ」と買ってしまった人もいたのかも。まぁそれで怒る人もたぶん無いでしょうが。それにしても新ヨハネのCDは品薄なんでしょうか。今回のパンフの後ろにも広告が載っているんですけど。なんか釈然としませなんだ。

*1:残念ながら拍手は、私にとってはややフライング気味だった。もうちょっと待てんのかね。