セバスチャン・フィツェック『治療島』『前世療法』読了。(どちらも図書館本)
- 作者: セバスチャン・フィツェック,赤根洋子
- 出版社/メーカー: 柏書房
- 発売日: 2007/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (52件) を見る
- 作者: セバスチャン・フィツェック,赤根洋子
- 出版社/メーカー: 柏書房
- 発売日: 2008/05/21
- メディア: 単行本
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
全編がほぼ主人公の視点で、主人公が語り又は主人公が聞かされた話を聞かされるという、わりあい一直線なつくりの『治療島』に比べて、『前世療法』は場面転換もアクションも盛りだくさんで、ひじょうにハリウッド映画っぽい感じに楽しめる。とはいえ、“わるもの”が誰だったのか判明した時には、私にはどんでん返しが極端すぎて、スコーンとした快感よりむしろ「はァ?」という不快感(ムッとしたと言いましょうか)のほうが強くなってしまいました。
両作とも、登場人物が風邪気味や偏頭痛や病気や服薬やで、常に苦しかったり朦朧としていたりすることで、読み手のほうまでイライラ・焦燥感を抱えつつ読まされる事になるというサスペンス感創出の手法は、ちょっとアンフェアな気も。ともあれ、どちらも読み出すと先が気になってなかなか止まらないお話ではありました。