彼岸がだんだん遠くなる〜

ドラマの舞台になっている2026年と、過去を、行きつ戻りつしながらドラマが展開していきます。

というつくりなので、ボヤっと観ていたら「現実の2006年(以前)の実写映像」なのか、「ドラマの中で2006年(以前)に起きたことになっている事柄」なのか、分からなくなってしまうところが幾つかあった。スポーツ中の事故で身体が不自由になった患者が、手術とリハビリを受けるようすやインタビューが流れていたのだが、しばらく「これもフィクションなんでしょ」と思ってみてしまっていた。基本的に2006年時点での状況については、実写映像で描写されていたのだろうと思うが…
 この番組は、ES細胞を用いた医療がひらく治療への夢や可能性、技術的な危険性や法的・倫理的な問題に言及したあと、人間が不死(に近い寿命)を獲得することの考察に至る。それは時間の感覚を変え、自分という一個人の存在が及ぶ範囲と責務に対する考え方も変え、すなわちすべての物事の見え方を変えるのだろう。フランスで始まった物語が、ケルト十字?の墓碑が立つアイルランドで哲学的思索を誘って終わるのがちょっと気に入った。