旅の折りかえし地点

 アーシュラ・K・ル=グウィン『帰還―ゲド戦記最後の書 』(岩波書店)[再]読了*1

帰還―ゲド戦記最後の書 (ゲド戦記 (最後の書))

帰還―ゲド戦記最後の書 (ゲド戦記 (最後の書))


 シリーズ4巻目のここまでは再読で、いよいよ全く初めての5&6巻に入ります。『帰還』は人によっては嫌われてもいる作品らしい。私は読んだ感じじたいはそれほどイヤでもないのだけど、あれこれ現実的すぎてしんどい話になってますからね…とくにゲドが定年退職で組織パワーの後ろ盾喪失→ひとりぼっちで何者でもない自分にボー然、そこへ男性更年期ウツ。てあまりにもお決まりの感じで楽しくない。
 でもここまで読み返してみて、いちばん初読時の記憶が残ってなかったのは3巻の『さいはての島へ』だった。島めぐり、諸民族探訪みたい*2になっていて、わりと動きはあるお話なのに。

 これから読み始める『外伝』は、アースシー世界の全体像を年代記的な面も含めて整備するもののようで、後付けの補完作業にたぶん安心したりガッカリしたりしそう。

ゲド戦記外伝

ゲド戦記外伝

*1:Amazonのデータでは1993年刊となってますが、この巻も2000年に改版されています

*2:いかだ族とか、変な薬草?におぼれて全員ボォーっとなっている島とか、タッチは全然ちがうのだが以前に読んだ同じ著者の『なつかしく謎めいて』を思い出した