アーシュラ・K・ル=グウィン『アースシーの風』読了。
- 作者: アーシュラ・K・ル=グウィン,ディビット・ワイヤット,Ursula K. Le Guin,清水真砂子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/03/21
- メディア: 単行本
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事実上の第6巻=最終巻。今月下旬には岩波少年文庫版が出てしまう。単行本で買った本が未読のまま文庫化されると身が捩れるほど悔しい(われながらちいさい)ので、大急ぎで読む…はずがなかなか進まず、苦しかったー。
シリーズ最初のほうでは、(あるていど物語にマッチしていなくもない「古拙」な文体として)受け入れて読み進むことのできた訳文のあちこちが、最終盤でだんだん話が大きくかつ大人っぽくなってくるにつれて「この訳で良いんかいな?」としばしば気になってしまったせいもある。
世界の大きなchangeを迎えて、集まった全員がそれぞれに不思議な夢を見るくだりは、ちょっとぞくぞくっとした。テハヌーさんは最初っから「出発」するためにいるみたいで「キャラここにあらず」的な雰囲気を感じたし、さいごは初老夫婦が取り残されて侘びしい終わりかた。ロークの学院がどうなっていくのかも気になります。