袋有。我袋有也。我有袋類。えーと。

  (注:画像は杉並区のキャラクターで、この日記とは関係ありません。)
 大型スーパーとしてはウチの最寄りのひとつである「S友」では、買い物袋を持参すると2円引きというたいへんお値打ちな制度があるわけです。地元中堅チェーンでは「S友」よりはるか以前から、買い物袋持参でプラス5ポイント(1000ポイントで現金1000円と交換)となっていたわけで、さすが「S友」はやることがチマチマ…いや、それはこのさい置いとくとして。


 きょうも「S友」へ買い物に寄った私は、高校生アルバイト風の女の子が立っているレジへカゴを運び込んだのであった。
  レジっ娘:いらっしゃいませこんにちわー。お買い物袋、お持ちですかァ(はぁと)?
との定型句に対し、
  :はい、持ってます(と同時に顔を上下に数回動かす)
と、verbal/non-verbal両面での確実な伝達を心がけた*1、にもかかわらず、私が財布からお金を出しているあいだにレジっ娘はレジ袋1枚をカゴの中へ突っこんでいるではないか。
  :いや、袋ありますよ。
  レジっ娘:あ、お持ちでしたかァ(はぁと)?
と声はほんわりしていたが、内心は(それならそう早よ言えよ、この××ば○ぁ)と思っていた可能性もある。
 

 こういうことは別にめずらしくなく、たいていの場合は[マニュアルどおり質問はしたが]→[客の返事はうわの空で聞き逃し]→[機械的にレジ袋をカゴに突っこむ動作]という流れであったと推測される。しかし今日のケースでは、「袋ありますよ」と指摘した際のリアクションがいかにも悠揚たるもので、「あっあっっそうでしたよねすみません」のような狼狽の跡がまるで感じられなかったため、レジっ娘としては完全に私が「イイエ、私ハれじ袋ヲ持ッテイマセンノデ其レヲ一枚クダサイ」を意味する言葉を発したと確信していたように思われるのだ。

 そこで「S友」のレジ係教育担当のヒトにいっぺんたずねてみたい、「いったい客はあの場面でどういう返答をすると想定されているのか!?」と。およそ返答がYES/NOの2種類しか存在しないケースにもかかわらず、自分の返答が正反対に受け取られていた者としては、なにか根源的な不安というか、足下の地面がふいに崩れ去るようなというか、そういう気分になってしまうのである。


 私はいったいどう言えば/どう顔の筋肉を動かせば良かったんだろう…この世界で、ふつうに扱ってもらうには、どれだけのトレーニングが必要なのか。The Man Who Fell to Earth. そんなこと(笑)を思いつつ、セロリやしめじや甘夏を詰めたリュックを背負って帰ってくると、我が家のある団地ではきょう日曜日は〈桜祭り〉。団地を横切る桜並木に紅白の提灯がさがり、あたたかく淡い陽射しのなかで若い二人連れが、頭上を覆う五分咲きの花に向かってカメラ付き携帯電話をかざしながら、並木道を遠ざかっていくのが小さく眼に入った。

*1:ただし私はとってもsauvageなので基本的にレジの人とあまり眼を合わさない。でもそういう客は多いと思うのよね、財布を覗き込んでいたり子どもに気を取られてたり、いろいろ都合があるやん。