このところ観たものなど

 まとまった感想をうまく書けないので、いちおうメモ。憶え違いがあっても御免。

合衆国崩壊の日 完全版(2巻セット) [DVD]

合衆国崩壊の日 完全版(2巻セット) [DVD]

 どこかの民放BSであんまり何度も繰り返し放送してるので、とうとう根負けして観てしまった。アメリカ合衆国に併合されてしまったカナダの元首相が、反撃に出て大統領になるけど結局テキサスの石油富豪である(元)妻に追い落とされる(と書いてしまうと全然違う)話。少々汚い手を使ってでも合衆国の暴挙を阻もうとするも、欧州各国に利用された挙げ句に破滅させられるカナダ人…なんだけど、カナダ製作。大人ということなのか。生々しい話なのに現実離れした光線も射し込む、奇妙なTVドラマ。

 何を考えているのかよく判らないドナルド・サザーランドの顔はスパイ向きといえばそうなんだけど、あまりにも判らなすぎて、どこからが恋情でどこまでが冷徹かという行動の動機が不明になってしまい、イライラする映画。彼の正体に最初に気づく下宿の女主人は勘が良すぎないか?戦時下だったらあんなものなんですかね。クライマックスの、ヒロイン母子を執拗に追いかけてドアを破るシーンなど、『シャイニング』ぽい怖さ。あるいはこれが元ネタ?

現在、この国で再審開始の決定が出ている事件が二つある。一つは最近注目を集めた足利事件。そしてもう一件は05年に再審開始が言い渡された布川事件である。どちらも検察によって 冤罪をでっち上げられ、裁判所がこれを見抜けなかった為に 無期懲役を言い渡された事件である。二つの事件に注目し、足利事件では「冤罪を見抜けない裁判所」、布川事件では 「証拠を隠し続ける検察」の観点から日本の冤罪の構造を探る。

 「布川事件」では、事件当夜現場を通りかかった近所の人が、犯人とされた二人*1とは別の、或る人物が家の前に身を潜めるように立っている姿を目撃、警察にも何度もそう証言したのに黙殺されているという。番組のなかでその証人のインタビューも流れたが、具体的に人名を挙げているようだった。真犯人かも知れない(そして既知の)人物を目撃しているのだ*2。そこらの劇映画よりゾーっとする場面。

*1:既に服役後、仮出所

*2:おそらく狭い地域で皆お互いに顔見知りというような土地なのかも