庄野潤三氏、死去

http://www.asahi.com/obituaries/update/0922/TKY200909220111.html

「静物」「夕べの雲」など家族小説を息長く書き続けた芥川賞作家で「第三の新人」の一人、庄野潤三(しょうの・じゅんぞう)さんが21日、老衰のため死去した。88歳だった。
(中略)
自らの家族をモデルに、子供の成長に寄り添いながら生活の細部を描出する家族小説を続けて発表。長編「夕べの雲」(65年)で読売文学賞、短編集「絵合せ」(71年)で野間文芸賞、「明夫と良二」(72年)で毎日出版文化賞、赤い鳥文学賞を受けた。
(中略)
96年の「貝がらと海の音」から、子供が独立した後の老年夫婦の喜びを描く長編シリーズを文芸誌などに連載。07年に自伝風小説「ワシントンのうた」を刊行した。


 ごく一部の作品しか知らない「なんちゃって読者」の私も、ときどき「庄野潤三ファン掲示板」を拝見して、ぜひ回復をと願っていましたが、残念です。

 近年ずっと庄野氏が書き続けてきた、家族の幸せな時間の円環、何げない毎日の繰り返しが、いまほど痛切に渇望されることがあったでしょうか。