ピンクリボン閑話(身も蓋もないので注意)

 年に1回の胸肉検査を先日うけて来たわけです。それで思ったのですが、あのマンモグラフィーというのを撮ってくれる人にも、やはり上手下手というか、テクの違いというのがあるみたいですね。

 昨年は担当の放射線技師さんがかなり若い女性で、しきりに「ちょっと痛いですが」「申しわけありません、痛いですね」と断りながら撮影を続けられ、きっとそんなふうに言いなさいとどこかで指導されたのだろうけど、それがあんまりいちいちなのでこちらは内心「いやもう痛いのは承知で来てますんでお構いなく」と言いたくなるほどだった。
 それで、マンモを撮られた経験者ならお分かりの通り、左右の乳をそれぞれ縦横2方向から合計4回ギュッとはさんでつぶした状態にして撮るのですが、やはりある程度のお肉量がないと「はさむ」こと自体が難しいらしい。上半身に比較的お肉が少なめ、いわゆる微かな乳である私のばあいも、技師さんが脇のほうからお肉をコネコネーっと寄せてきたりして量を確保しようとされるのですが、昨年のそのかたは「このへんから持ってきて、と……うーん、やっぱりダメか」みたいな感じでいろいろやってみるもののかなり難渋しておられるようすで、私としても下半身方面にいくらでも余っているお肉を融通できるものならしたいのだがそうもいかないという、なかなか気まずい雰囲気なのでした。そしてけっこう痛かった。


 それが今年は、検査担当者さんがベテランっぽい中年女性。必要以上の気遣いは抜きでテキパキ進めてくださり、そして結果として(時期的に「痛い」可能性の高い週だったにもかかわらず)昨年に比べて痛みが少なく感じました。これは気分的なものもあるかもしれませんが、ひとつ気づいたのは、今年のかたは、お肉をあっちこっちから苦心して寄せてくるのにあまり時間をかけることはなく、「(機械に対して)もうちょっと右寄りに立って下さい」とか「左にもたれるようにして」とか「肩の力を抜いて」とか、姿勢に対する指示が多かったという点です。もしかしたら、胸のお肉を持って来ようとしなくても、身体まるごと持ってくることでうまく撮影できるようなコツがあったのかもしれません。
 それと驚いたのは、左の胸を縦に(左右から)はさんで横から撮る際に、「右手で右の胸をちょっと押さえてて下さい」と言われたこと(微かな乳でも邪魔な時には邪魔らしいです(>_<))。これは昨年まで何回か検査を受けたなかでも経験したことがありませんでした。これももしかしたら、昨年の若い技師さんが聞いたら「あっ、そんな簡単でよい方法があった!」とか思われるのかもしれない。検査を受ける側としても、反対側の胸の映り込みを避けるため(?かどうかはわかりませんが)にしんどい姿勢を取らされていたかもしれず、もしそうなら「こんなことぐらい、言ってくれたらいくらでもやるのに」というところです。


 そんなこんなはともかく、マンモグラフィーは男性がやるのはちょっと具合が悪いだろうし、放射線技師という仕事をやってくれる女性がこんなにいてくれるだけで感謝せねばならぬところです。(これは医師についても同様ですが。)それに加えて、気持ちよく検査が受けられるようにいろいろ気配りされていることを毎回実感します。(もちろん、私の場合はとくに病気の心配があって病院へ駆け込んだわけではなく、毎年の習慣として検査を受けているだけなので気楽なことが言えるのであって、急に自分の身体に異常を感じて受診を思い立った人などは、もっともっと神経質になっても当然でしょう。)


 外科のお医者さんにも丁寧に診察・説明していただき、結果は「昨年に比べて特に変化なし」ということで、ひと安心して帰宅。最近は検査希望者が多くて混雑しているみたいなので、顕著な自覚症状もないのに毎年受診するのは迷惑だろうか…などとも思ったけれど、やはり「年一回は調べておいたほうがいいです」と言われたので、また来年も。さて次回は痛いかどうか?