『銀花』終刊号に満足

 文化出版局の季刊誌『銀花』が2月で終刊というニュースを聞いた時には、ほんとうに世の中の景色が決定的に変わっていくなぁ…という感慨にうたれました。『銀花』のティストがまるごと好きだったかというとむしろそうではなかったのですが、あの雑誌が無くなったら、
「ほら、よく『銀花』に載ってるような」とか
「いかにも『銀花』とか読んでそうな人でさぁ」とか
安易に使っていた“喩え”をどうしていったらいいのか悩みそうです。


 愛読者でもなかったのに*1最終号だからといって記念に買うようなことはカッコ悪い(<誰も見てないけど)し、しないつもりだったのですが、書店でひらいてみたら、ちょっとした手芸特集みたいなのがあって、おばあさんが作る編みぐるみとか、嶋田俊之さんのページもあったし、

「盆梅」ならぬ「盆藤(ぼんとう)」という、初めて耳にする高雅な趣味の世界が紹介されていたり

いろいろ興味深い記事があったので、思いきって購入。


 じつは、綴じ込み付録として「散華」が一葉ずつ付いている、というのは広告で予め知ってました。かねてから「散華」をかたどった絵はがきとかカードみたいなのがあったら欲しいなぁと思い、親が奈良へ一日観光に出かけた時に頼んでみたりしたのですが、思ったほど簡単に見つかりません(土産物としてもありそうな気がするんだけど)。それでこの付録には心が動いていましたが、絵柄が好みでなかったら仕方がないし。と思ってました。
 書店で実物を確かめたら、最初に出てきたのが可愛いカモの絵柄だったので、ただちに購入を決めてしまいました(この付録は、絵柄3種のうちいずれかが封入されている)。他の記事の内容もけっこう良さそうだと確認したのはその後です(^^)ゝ

 

 終刊は寂しいけれど、最後に嬉しい贈り物がついてきてありがたい気持ちです。『銀花』が扱ってきたようなジャンルを、これだけ丁寧に取り上げている雑誌はあまり思いつかないので、必要としている人たちはきっとたくさんいるはず。いろいろ難しい事情はあるんでしょうが、時期が良くなれば何らかの形で復活も有り得るのではないかしらと思っています。


 ***こんなの知らなかった!→魅惑の散華 ─美術散華保存会 OFFICIAL SITE─ 法華寺へGO!

*1:とはいいつつ、一度、読者カードを書いて送ったら「読者のお便り」ページに採用されたという輝かしい過去もあり