あかして欲しいのはそれじゃない

廣野由美子『ミステリーの人間学―英国古典探偵小説を読む』(岩波新書) 読了。

ミステリーの人間学―英国古典探偵小説を読む (岩波新書)

ミステリーの人間学―英国古典探偵小説を読む (岩波新書)

 古めかしくたぶん読むこともないであろうディケンズウィルキー・コリンズ*1の作品が、それぞれ「やっぱりさすが面白そうやん」あるいは「意外に面白そうやん」と思われたのに対し、いずれ読もうと思っていたチェスタトンのブラウン神父ものがさほど魅力的に紹介されていると思えなかったので、ちょっと複雑な読了感である。どちらにせよ、いくら「人間性」に対する観察眼や洞察力を働かせて「人間」が描かれていたとしても、そういうことには興味が無いんだわ私。

*1:精神病院を悪用した人間のすり替え・財産の詐取という『荊の城』の元ネタぽいものがここにあることも知った