ブレイクだん

 深夜に地上波(吹替版)でやってたので、新型インフル口蹄疫「後」としては初めて再鑑賞。

アウトブレイク [DVD]

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 今年の口蹄疫の記憶は忘れっぽい私でもさすがに未だ新しいが、あの時感じた恐怖に通ずる物がここにある。他地域への感染拡大&情報洩れを防ぐ堤防とするために人間を「殺処分」する場面も。ただし手段は「埋却」ではなく「焼却」だ…
 新型インフルエンザが発生したときに、ちょっと過剰に思い描いてしまったあれこれ、前に観たこの映画に由来していたかもしれない。口蹄疫騒動のときも、陰謀論めいたものが流布していた(私は信じたわけではない)けど、「政府は何か隠している」的な疑いが生じるのは、こういう映画などの影響なのか、それとも感染という事象じたいにそのような疑念を引きおこしやすい性格があるのか、考えてしまう。

 そういうわけで、この映画は感染パニックものであると同時に軍隊アクションサスペンスでもある。クライマックスのヘリアクションはちょっとやりすぎの感じも(^^;)。軍の人間関係も一番上位の司令官が白人(ドナルド・サザーランド)、次が黒人(モーガン・フリーマン)、そして言うこと聞かない頑固な現場主人公がユダヤ人(ダスティン・ホフマン)、彼を助ける素直な部下に若い黒人(キューバG.Jr)と、完璧な取り揃えぶり。おっと、ケヴィン・スペイシーが出てるのも全く忘れてました。

 「燔祭」という言葉を連想してしまうような一村まるごと焼き滅ぼす炎のシーンを、ユダヤ人であるD.ホフマンの顔と共に観るのは、なにか象徴的な気がする。