ぐるぐる回るよニッポン

 ところで、奥泉光氏と原武史氏のトークショー(笑?)があったらしいのですが



 『神器』上巻の終わり近く第68章「血の誓約」にて、年老いた門馬中将の訓話に呼応した兵士たちが次々に立ち上がり《死にます!死んで御国にご奉公いたします!》と叫んでは血判を押すというなかで、語り手だけが《なんだこりゃ、なんだこりゃ、と叫んで回る恐慌の獣に軀を押さえつけられ》《海軍へ来てからというもの、このとき以上に俺は孤独を感じたことはない。》と独白する場面で、私は『滝山コミューン1974』に似てるッと思ったのだった。いくぶんアナクロニック(どっちが歴史的に先かという意味で)ではあるけれど、いやいや、そこに一方向な時間の前後なんてない、というのが奥泉小説の世界なんだから!


 以上、奥泉/原カップリングつながりについてこのブログに一度書いてたのを、自分でも忘れてたのに、ツイート友のicchan0000さんがせっかく発掘してくださったので、それを記録ついでに書いてみた。