アリゾナ州の新移民法に関するドキュメンタリー

およそ1200万人に上る不法移民に市民権を与え、合法的に働けるよう、米・オバマ大統領が公約していた「移民制度改革」。しかし、メキシコと国境を接するアリゾナ州では、逆に警察の捜査権限を拡大させるなど、不法移民の取締りを強化する法律が今年4月に成立した。この「新移民法」をめぐってアリゾナ州では、「不法移民は納税なしで公共サービスを享受し、職を奪っている」と非難する賛成派と、「人種差別だ」と訴える反対派が激しく対立している。この法を熱心に後押ししたのは、不法移民の急増に業を煮やした保守派。背景には移民排斥を唱える白人極右の人種差別意識も透けて見える。これに対し、ヒスパニック団体は、全米規模の抗議行動を繰り広げる。司法省は7月、この法が憲法違反だとして差し止めを求める訴えを起こした。しかし、世論調査では全米の6割近くがこの法を支持し、五つの州で同様の法案の検討が始まるなど、今年11月の中間選挙に向けて、重要な争点に浮上している。番組では、全米を分断しかねないアリゾナ州の新移民法を通して、「移民の国」米国の苦悩を浮き彫りにする。

原題: アリゾナの憂鬱(ゆううつ) 〜新移民法にゆれる米国〜
制作:NHK/パオネットワーク(日本 2010年)

 番組の内容そのものもたいへん興味深かったのだが、強硬な不法移民対策で住民から支持と反発とを浴びているマリコパ郡のアルパイオ保安官が、なかなか強烈なキャラだったので思わず画面をキャプ。

 銃をかたどったネクタイピンを着けて、自信たっぷりに熱弁をふるうアルパイオ保安官。

 彼は不法移民を収容する施設として刑務所の敷地内に「テント村」ならぬTent Cityを作った。40℃を超えるアリゾナの猛暑下でも囚人達は野ざらしのテントの下に詰め込まれる。一食当たり20〜35セントの劣悪な内容の食事。屈辱感を与えるためにピンクの肌着や靴下を着用させる。
 「テントはいくらでも立てればいい。きょうも“空き室有り”だ。不法移民をどんどん捕まえる」と胸を張る。


 彼は銃で武装した市民から成る自警団を組織するとして、ボランティアを募集する挙にまで出たという。アルパイオ保安官についてはウィキペディアにも詳しい記事がある。問題人物なのだ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Joe_Arpaio