ゆらゆら有人月面(?)探査

ヴィクトル・ペレーヴィン『宇宙飛行士オモン・ラー』読了。

宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー)

宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー)

 うーん、「ロシアの村上春樹」だそうですが、も少し若い世代の作家でよりふさわしい喩えがあるんでは。たとえば(知らんけど)伊坂幸太郎とかそういう感じの。

 それはそれとして、作中(ソ連時代)ではピンク・フロイドが熱く語られ、解説でもBGMにとおすすめされていましたが、私の頭のなかで鳴ってたのはこっち:

Voyager

Voyager

 軽めではかなくて切ない感じ。「ソ連」の青春には合いそうにないのだけど、それがなんとなくこの小説にぴったりなのが不思議。主人公はけっきょく夢見たどこへも行けないけど、そのかわりどこへでも行けそうな未来が残される。