興味深いイングランドの歴史

 図書館で借りてまだ半分しか読んでないけど、なかなか面白いのでご紹介。

 著者あとがきによれば、

 学術的な論文等を除き、一般読者向けにアングロサクソン七王国の時代を本としてまとめたものは恐らくわが国では本書が最初でしょう。

 というユニークな本。


 ローズマリー・サトクリフの「ローマン・ブリテン四部作」でおなじみの、ブリテン島からのローマ帝国の撤退、ブリトン人と北方の民ピクト人との攻防、というあたりから始まって、イングランド統一までアングロサクソン人の諸国が興亡を繰り返した数百年の歴史を、わかりやすく解説してくれます。読み始めるまでは、あまり馴染みのないタイトルに「難しいかも」と思っていたのですが、登場人物の心理を想像してセリフまでまじえた描写は、阿刀田高ギリシア神話の本なんかを思い出すスタイル。読み物的な感じで気軽に読めます。

ベーダ英国民教会史 (講談社学術文庫)

ベーダ英国民教会史 (講談社学術文庫)

 じつはベーダの『英国民教会史』(講談社学術文庫)という本を、なんとなく勢いで(インテリぶりたくて?)買ってしまった*1ものの、ちょっと本格的すぎて「これ、いったいいつ読むの>自分」という状態だったのですが、本書はその『英国民教会史』を下敷きにしてより親しみやすく歴史を語ってくれているので、とりあえずこれを読んでから、いつか(!)ベーダのほうを読めばいいや…と、ちょっと安心したしだいです。

 ただひとつ残念なのは、お値段が1700円(税抜)とあまり親しみやすくないこと。せめて1200円だったら、買って手元に置きたいんですけど…ただいま悩みちゅう。

*1:『大聖堂』の参考書のつもりで買ったら、ベーダは8世紀初めの人なのでずっと前の時代で終わっていたというウッカリぶり