物語 フランス革命―バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中公新書)
- 作者: 安達正勝
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/09/01
- メディア: 新書
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子供(小〜中学生)のころ『ベルサイユのばら』が一大ブームだったのですが、マンガにあまり興味がなく当該作品の絵柄も好みでなかったので、全く読まずじまいでした。あの頃騒いでいた同級生たちは、史実そのものとはいえないとしてもフランス革命についてそれなりの知識や感触を得たのだろうなと思うと、いまになってちょっと惜しい気もします。
この本は、「物語」と称するだけあって難しい理屈よりも興味深い人物像やエピソードを中心に読みやすく書かれていて、とっつき易さは抜群。ただ著者はかなり明確にルイ16世びいき*1なので、何か別の本で“中和”することも考えねばなりません*2。それにしても、ここに紹介されたそこそこ有名人に限っても、ギロチンにかけられるような謂われは全く無いようなケースがいくつもあり、全体ではいったいどれだけの無辜の人間の血が流されたのかと思うと、社会が大きく動く時の誰にも止められない無気味な力についても考えさせられます。