むりやりつなげるあれこれ:その2

 今月は自分でフランス月間ということになっており、

醜聞の作法 (100周年書き下ろし)

醜聞の作法 (100周年書き下ろし)

 これらを読んでいる(読む)のですが、鹿島本のあとがきをまず(笑)読んでいたところ

 ナポレオンはおのれの熱狂情念を、さながらサイキックウォーズのように、タレーランの移り気情念とフーシェの陰謀情念と真っ向からぶつけて戦い、一見、彼らを排除したように見えながら、その実、見事にしてやられたのである。

という一節に遭遇。「移り気情念」といういかにも奇妙な用語で思い出したのが、


 先日読んだ『フランス的思考 - 野生の思考者たちの系譜』。

フランス的思考―野生の思考者たちの系譜 (中公新書)

フランス的思考―野生の思考者たちの系譜 (中公新書)

 サドやバタイユなどと並んでこの本で取り上げられていたシャルル・フーリエの、これまた奇妙なユートピア構想の元になっている「情念」に関する理論用語のひとつがこの「移り気情念」だったのを、いくら忘れっぽい私とはいえ、つい先日読んだところだったので一応は記憶していた(汗)わけである。そういえばこの鹿島本、単行本のときはタイトルがずばり『情念戦争』だったらしい。渋すぎて何の本かわからないですが…じつは『月刊PLAYBOY』に連載されていたものだというので、気楽な歴史読み物かなぁと思って読む気になったのだけど、まさかこのようなコンセプトのもとに書かれていたとは。

 フーリエの思想については鹿島本の序論部分でもやや詳しく紹介されているようなので、いわば応用問題に遭遇したような感じで、(石井本を読んでもべつにフーリエの思想に格段の興味を持ったわけでもなかったのだけど)これはまぁよい機会。さらに楽しみが増しました。