METライブビューイングで『ジークフリート』

 友人が誘ってくれたおかげで観て(聴いて)きました。

 直前になって主人公ジークフリート役が降板(指揮者も交替(笑))。印刷物はおろかウェブサイトに載っている画像も全部最初に出演予定だった歌手のままになっているので、かなり急な話だったみたいです。というか、今月5日にMETで上演したものがすぐに映像になって日本で観られるっていう素早さに驚きました*1

 そんな急遽代役&大抜擢だったというのに、終始爽やかで堂々とした唱いっぷりのジェイ・ハンター・モリスには感心しました。神々の黄昏を招く英雄を演じるのがテキサス出身の体育会系ぽいお兄さんだというのは、面白い! もちろん観に行く前から楽しみだったブリン・ターフェル、この演目では既に凋落の色濃いヴォータン役ですが、貫禄たっぷりの姿と深みのある声を堪能いたしました。それにしてもつくづくこれは西洋人の仕事だなぁと思いましたよ…あれらの役を薄べったい身体の日本人が数時間ぶっ通しで唱い演じきるなんて想像できないし、あまり観たいとも思わない。

 もともと、映画館で映像で観るオペラってなんか中途半端じゃない?と思い込んでいたのですが、少なくとも自宅のテレビでBS番組を観るよりははるかに迫力ある音と映像に没入できるので、それなりにひとときの別天地を味わえて、楽しめるものだと思いました。幕間に、出演者のインタビューやリハーサルの映像などが見られるのもお得感あり。


 参考リンク追加:Madokakipさんのブログ『Opera! Opera! Opera!』より、「呪われる『ジークフリート』、タイトルロールで(こんな間際に)キャスト・チェンジ決定」。今回の主役交代にいたる詳しい経緯が紹介されています。コメント欄の皆さんの声も面白くてタメになる!

*1:そんなにとれとれぴちぴち企画だとは知らなかった。デジタル時代のおかげですね