磯江毅=グスタボ・イソエの絵を観た


 出展されていたこの作品を観ていると、放心したような眼の女性の顔と、素材感まで精密に描きこまれたセーターの袖やそこから出た手のあたりが、まるでそれぞれ別の時間、別の世界に属しているのをこちらから特殊な方法で覗き込んでいるような、何とも言えない不可思議な感覚をおぼえた。
 チラシなどに掲載されている最晩年の「バニータスII(闘病)」ではなく、もう少し若い時期に同様の構図で描かれた「Vanitas(虚栄)と私」のほうが、画面の奥からこちらを見返してくる傲岸不遜な感じの視線*1のせいもあって衝撃を受けた。

*1:もちろん、斜めに鏡を見ながら絵を描こうとすればああいう角度になるというだけなのだろうけど