ヘルツォークの『フィツカラルド』を観た

前人未踏のアマゾンの奥地にオペラハウスを建てようとする男の執念。船の山越えシーンは世界の観客に衝撃を与えた。

 途中で「あー、これはたぶん原住民の企みにはまった主人公が《神であり且つ生贄》みたいな感じで処刑されてバラバラにされて河に投げ込まれて終わりなんだろうな…」と勝手にストーリーを想像していたら、なんと予想を裏切る幸せげな結末ではありませんか。収奪したつもりが奪い返され、大失敗したはずがなぜかハッピーエンド(?)、という不思議な幕切れにしばしポカーン…でも2時間半を超える長尺ながら退屈することなく(疲れていたのに殆ど居眠りもせず)最後まで引きこまれる面白さでした。私にとってはあちこち笑える映画だった一方、場内は(誰かの規則正しい寝息以外は)けっこう静まりかえっていたのが意外だったけど…

 ちなみに、オペラに始まりオペラに終わる映画になっていて、ポポル・ヴー風味は思ったほど前面には出てなかったです。


フィツカラルド [DVD]

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 ↑このジャケット写真は作品を伝えてない!
 実際の感じに近いのは、こちらに載ってる写真のほう。↓


 それにしてもクラウス・キンスキーすごい。ヘルツォーク中毒にはならなくても、キンスキー好き―、にはなってしまいうかもしれないです。この「ヘルツォーク傑作選」期間中に、なんとか『アギーレ・神の怒り』だけは観に行きたい…しかし、前に『ノスフェラトゥ』を観た時にもリンクを張った、有り難いこちらのサイト↓

 によれば、『小人の饗宴』もポポル・ヴーが音楽担当なのか。これまた、“見てはいけないもの”と思いつつ見たくなりそうな……