追いかけて遡って取り戻す

 好きな音楽を問われたら堂々と「ヒラサワ…」と回答しかねない私だが、実を言うと21世紀に入ってからの作品はほぼ聴いてなかった。
 経済的精神的時間的余裕がなくて、というのが主な理由だけど、いったん遅れを取り始めるとなかなか追いつけそうな気がしなくなってきて、未練はありつつ半ばあきらめていた感じである。

 しかし昨年病気になったこともあって、もう限られた(そしてどの程度限られているのかは知るべくもない)残り時間に〈したいこと・せずには置けないこと〉を、ある程度決め込まざるを得ないという気持ちになってきた。そう考えた時、やはりヒラサワの音楽のかなりの部分を聴き残したまま人生を終えるというのは自分にとってよろしくないと思った。

 くわえて、「なかなか聴く時間もない」生活 → 「ある程度の分量の音楽が必要」な生活への変化もあった。
 病後リハビリということで週2,3回の運動を指導されているのだが、実際には週末・休日にご近所を30分ぐらい散歩するぐらいのことしかできない。コースはあまり変化をつけられないし、それも手ぶらでただ歩くのでは退屈すぎる。せめて音楽を聴きながら、それなら買ったまま聴けずじまいになっているやつを…ということで、まず以前に少しずつこのダイアリーにも記録しかけたものの中断していた、DHM50(ドイツハルモニアムンディの記念BOXセット、古楽系ばかりCD50枚)をせっせとiPhoneに取り込み、それを聴きながら歩くようにしている。それもだいたい半分ぐらいは聴いてしまった。そろそろ"補充"が必要になる。味気ない&感心しない動機ではあるが、もともとiPhoneにはヒラサワの手持ちのCDはもちろん全部落としてあってこれも時々ウォークしながら聴いている。改めてやはりこれはいいな〜…ということもあり、ここで思いきって聴き残していた2000年以降発表の作品も聴き始めよう(聴いてから死のう)と考えて、大人買い

 右から左へ発売順。最低限のチョイスということで、『救済の技法』より後の平沢進ソロおよび核P-MODEL*1によるオリジナルアルバムと、弦楽アレンジ企画物2点だけ。それ以外の企画物や限定版やライブ、シングル盤やDVD類、あーそれとサントラ盤。は(今回は)考えないことにした(笑)。
 XXフラグととらえるか、これで寿命が延びたと楽観するか、それは聴いてからのお楽しみ。

 

*1:これが何なんだか、いまひとつわかっていない私(笑)