遠藤徹『姉飼』

(収録作:「姉飼」「キューブ・ガールズ」「ジャングル・ジム」「妹の島」)

 日本ホラー小説大賞受賞の表題作。話題となった冒頭の、村の奇祭で出会った光景から風変わりな村の生活を描写するあたりまではどろどろと面白かったのだが、後半、語り手が村を離れてからは何となくふつーな話にトーンが変わってしまったのが残念。
 中2作は思いつきだけみたいでピンと来ず。最後のホラー枯木灘?みたいな「妹の島」が一番まとまった感じがしましたが、もっと長い小説を無理やり縮めたやつを読んでいるみたいで少し窮屈。でもバッサリした始まりかたはかっこいいです。偶然の一致か、先日の『なつかしく謎めいて』にも、恐い虫のいる恐い島が出てきたけど、虫は嫌いなのでちょっとツライ。そもそも新しい方の『弁頭屋』が貸出中だったのでこっちを借りたのだけど、これ以上虫が出てこないと良いのにと思います(笑)。(追記:やっぱり出てるらし。)