京言葉入門困難至極

 ミハリータさんのコメント欄に乱入したのにまだ書き足りなくて、続き。
 この種の話題、なんかついこの間も家族でしゃべったような・・・と、今朝になって古新聞をめくって見つけました。京都新聞9月27日付夕刊、連載『京女再入門』の第21回・料理編という記事。これは毎回、京都のいろいろな習わしやマナーを学ぶコーナーで、今回はフリーアナウンサーの平松あゆみさんが書いています。

 名脇役「お揚げさん」で栄養UP

 京言葉では、言葉の最初に「お」を付けたり、語尾に「さん」を付ける表現が多いですね。「おまく(枕)」や「飴さん」など、とてもやさしく柔らかい響きです。東京育ちの私は、何に「お」を付け、何に「さん」を付けるのか。それとも両方なのか。言葉の仕事をしているだけに、気になって仕方がありませんでした。でも、何か法則があるわけではないのですね。日々の会話に耳を澄ませ、何となく覚えていきました。

…とあって、この後「お揚げさん」とキノコを使ったオイスターソース風味の混ぜご飯のレシピが紹介されるという内容になっています。
 「お」や「さん」の使いかたについては「何か法則があるわけではない」と書かれていて、少なくとも言葉を使っている人レベルで考える(言語学とかの専門的な分析をすればまた別かも)限り、はっきりした規則が見いだせるようなものではないらしいことが分かります。


 ところでこの記事を読んだ時にひっかかったのは、「お揚げさん」という言いかた。あまり馴染みがありません。あくまでも私個人に関してですが、「おまく(枕)」「飴さん」はその通りとして、

  • “油揚げ”を呼ぶ時は「お揚げ」または「揚げさん」とは言う
  • けれど「お揚げさん」と呼ぶことは無い

からです*1。「おいなりさん」なら言うけど(笑)。「お揚げさん」ねぇ・・・耳で聴いたらそれほど違和感ないのかなぁ。文字で見てちょっとアレ?と思ったわけです。
 まぁ私&家族は「京都人」ではないし、友人の中にも元々の京都人はわずかしかいないので、ほんとの京言葉というものをじっくり聞き暮らしたことはほとんどないわけです。なので、京都の人とはまた感じ方が違うのでしょうが、似たような言葉を使っているつもりでも、微妙なところに違い(地域差なのか職業・階層差なのか個人差なのか?)があるのを改めて知ったというわけでした。ちなみにGoogle検索結果では「お揚げさん」の嵐です(まさかル・クルーゼ現象ではあるまいが・・)。

*1:たとえば「もしもし、お揚げさん!」と呼びかける、みたいにふざけて言う事はあるかもしれないが