モノリスは新書の如く増殖し

巽孝之「『2001年宇宙の旅』講義」(平凡社新書) 読了。

 当時(...)クラークの初稿ではモノリスはピラミッド型にデザインされていたが、それではどうにもおさまりが悪いというので現在の1×4×9の比率からなる漆黒の直方体にデザインし直したのは、映画監督の側であった。キューブリックがキュービックを選択したこと、これが肝心である。

 えっ(^^;)シャレ?・・・それはともかく。『2001年宇宙の旅』って、原作小説を映画化したというものではなかったんですね。共同作業というか、同時進行で作られたらしい。むしろ映画監督が小説家を押し切った場面もあったようです。「同時進行」だったわりには、映画では分かりにくいけれど小説のほうには明確に書いてあるというような点が多いようなので、やはり別モノと言うべきなのでしょうね。
 だからなのか、小説家のほうは続編をつぎつぎに書き、『2010年』は映画にもなったので知ってましたが、『2061』とか『3001』はパロディか何かと思ってました(汗)。まじめな続編だったのか。小説家の執念を感じます。こうなってくると先に死んだほうが負けですね。それに何と言ってもモノリス書物の形。