とうとう完結か

ラヴクラフト全集5』(創元推理文庫)読了。


もう永久に出ないと誰もがあきらめていた(かどうかは知りませんが)、
ラヴクラフト全集7』が突如どういう事情か今月出るというので、
購入済みなれど未読だった『5&6』を慌てて手に取ることに。


収録作の中では「ダニッチの怪」を別格とすれば
「魔宴」が一番楽しかったです。
旧家の子孫が故地の古い儀式に招かれて・・・と言う導入も、
丘の上の教会に実は怖ろしい地下空間が・・・という設定も好み。
展開も映像面でも、今風のホラー映画〜それもけっこう美しい作品に
そのままなりそうな感じです。


HPL本人は余り気に入らなかったという「魔犬」も、
退廃趣味の友人どうしが、おどろおどろしく飾り付けた屋敷に
忌まわしいコレクションと共に二人暮らしというあたりが
なかなか珍しくて良いと思いました。


やや鈍重というかダルく感じる部分もありますが、
やっぱりラヴクラフトの世界はいいですね。
残る第6巻はランドルフ・カーター物といわれる作品たちです。