さようなら子猫たち

 11月23日勤労感謝の日に、子猫2匹が我が家から引き取られていきました。19日間の滞在でした。


 残念ながら、まだ恒久的飼い主さんが見つかったわけではないのですが、同時に保護された子猫たちのうち数匹が新しい飼い主さんとめぐりあえたため、猫保護のエキスパートとも言うべき人たちのところに「空き」ができたのです。そこでトコロテン式というか玉突き式というか、我が家から2匹がスライドしていくことになりました。


 我が家にいた2匹のうち、特に「三毛」のほうが少し繊細な性格でなかなか慣れてくれず、このまま猫扱いがよくわからない私たちのもとで暮らしていては、ずーっと人に慣れない猫に成長してしまわないか、心配していました。そのため、これまでもなかなか人慣れしない野良猫の保護を何度も経験しておられるかたにお願いするほうが、「三毛」の将来のために望ましいと思い、その点ではホッとしています。
 「白」のほうは、最初心配した眼のショボショボもほぼ治まり(抱っこされじょうずで、おとなしく目薬をささせてくれたおかげです)、すっかり元気な美猫に仕上がりました(笑)。今回の猫保護の中心的人物に託し、あとは優しい飼い主さんを待つばかりです。


 いよいよ今日はお迎えが来るという23日、かんじんのこの日に私はコンタクトレンズが使えず、猫たちの顔をはっきり見ることができなくて口惜しい思いでした。とくに抱っこさせてくれない「三毛」の姿は、あまり近くで見ることができません。でもカメラを向けると怯えずしっかり写ってくれました。手を近づけただけで「シャーッ」と威嚇していた頃に比べれば、ここ数日は頭やお尻をナデナデしてもあまり怒った様子でもなく、ちょっとずつ心を開いてくれていたので、ずっと一緒に暮らせたらいつかは慣れてくれたのではないかと思い、申し訳ない気がします。

 朝からなにか気配を察したのか、2匹はしきりにお互い毛繕いをし合って、これまでにもまして仲良く過ごしていました。最近ではボールのおもちゃを取り合いしたり、とっくみあいをしたり、すっかりふたりでの生活に慣れていたので、別々のお宅に引き取られていくのはちょっとかわいそうだったのですが、気の弱い「三毛」のほうは、なんでも「白」に先を越されがちだったので、やんちゃな「白」と離れて穏やかに暮らすことで、気持ちが安定するメリットもあるんじゃないかしら。いずれにせよ長い目で見て2匹にとってより幸せな道へ歩み出したと信じています。


 ケージを片づけた部屋は急に寂しくなりました。たった2週間半の猫預かりでしたが、子猫の無邪気な可愛らしさ、いじらしいような無防備さ、抱っこした時のふわふわの感触と沁みいるように暖かい体温は、忘れられない思い出になりました。同時に、我が家は猫と暮らすには物心両面でパワー不足であることを実感しました。良いとこ取りでズルいのは承知ですが、やっぱりご近所猫との交際で心を温めるにとどめようと思います。