「第一回小松左京賞受賞作」というのにも惹かれて読んでみた。『果しなき流れの果に』が私にはとても難しかったのに比べれば、話についていくのに苦労はしないんだけど、なーんか物足りない。ＳＦ小説ってこういう感じなのかーと思えばそうなのかもしれないが、ずっと説明書きを読んでいる気分。それとイエスの物語が各章頭に置かれているのが最後にどういう形を取ってくるのか、それこそ『マジック・サークル』をちょっと思い出しつつ期待していたのですが、いまひとつ納得のいく収まりかたとは言えませんでした。（ついでに言うと、よく考えもせず男にくっついて木星？まで行ったあげく、すぐ気分が悪くなって帰ってしまう女が登場するのにもなんとなくムッとしたりして。）
とまぁ書いてみると不満ばかりになってしまうのですが、「アレッ、あの人物はどうなったのさ」的な感じが残るのも当たり前で、これの続編にあたる作品が書かれているらしいですね。気にはなるけど、読むかというとちょっと？？です。
そういえばこの著者、他のタイトルはほとんど知らなかったのだけど、図書館の棚を見たら、意外とたくさんの作品が出ているので驚きました。ホラー系の作品も多いようで、そちらのほうが私には好みかも。
