最後までいいとこ無しかと思った>石田純一

 今朝の新聞に、平将門首塚の話題が取り上げられていたのを読んでフト思い出し、もう一度観る気に。
 明治末年〜昭和初期の街並みや事物、風俗の復元にはずいぶん力を入れたようで、画面に見応えがある(とくに女性のキモノの色柄がなかなかいい感じ、殆どが一瞬しか映らないのが惜しいけれど)。それに対して、クリーチャー・怪異出現場面はやはりちょっとチャチっぽい感じが否めず、落差が大きかった。これでも当時はたぶん斬新な映像効果だったんだろなぁとは思う(思い出せない)が、特撮の有無・巧拙に関わらない根本的な怖さとか不気味さを感じるような映画ではなかった。
 ラストの、春爛漫の神田明神の場面がとってつけたように美しく、そんなわけで、(先に挙げたキモノの面白さも合わせて)見どころとしては意外と女性向き耽美映画。これを機会に、未見だった『帝都大戦』も観ておこうと思います。(それと、小野不由美『東亰異聞』の映像化を夢見るのでありました)