超有名ブランドモナカ

 ごぞんじ「白松がモナカ」。広告もたびたび目にするし、ずっと前から知っているのに食べるのはたぶん初めて。写真は栗入り、刻んだ栗がたっぷり入っていて、美味しさにも満足です。
 
 「白松がモナカ」といえば個人的にとても記憶に残る出来事があります。就職して最初に本格的な出張に出かけたのが仙台市。仕事の合間に先輩と2人で目抜き通りの商店街を歩いていたところ、堂々たる店構えの「白松がモナカ本舗」に出会ったのでした。店内に入り、ショーケースに近づいていった先輩は、向こうに立っている女性店員に「前から疑問に思ってたんですけど・・」と話しかける。


 先輩「(柔らかな京都弁で→)この“白松が”っていうのは、“白松、白松isモナカ”ていう同格の意味ですか? それとも、“白松、モナカof白松”ていう所有格の“が”なんですか?」
 店員「・・・はぁ・・あの・・昔から・・(意味不明)・・」


ということで、よほど思いがけない質問だったんでしょうか、会話がかみ合わず、はっきりした回答は得られなかったのでした。


 現在、お店のウェブサイト(上記リンク)を見ても特に説明は無いようですが、さすが恐るべきWikipediaには、

なお商標につけられている「が」の文字には「ヶ」や「ヵ」と同等の意味合いがあり、最中のほかにも全ての商品に「白松の商品」という意味を込めて『白松が-』と名付けられている。

との記述があり、(根拠は不明なれど)これを信じるならば先輩の質問は後のほうが正解だったわけですね。


 この先輩とはお互いなんとなく気性に共通したものがあると勝手に感じていた私、じつは私もその数年後に似たようなことをした経験が。某デパートのCartier売り場へ手帳を見に寄ったところ、入り口付近で美しい女性店員さんがガラスを拭いていたのでフと苛めてみたくなったのです*1。そこに貼ってあったles must de Cartierと記されたポスターを指さして、
 私「すみません、これは何て読むんですか? “マスト”ですか?」
 店員「はい、レ・マスト・ド・カルティエでございます」
 私「どういう意味なんでしょうか?」
 店員「・・はぁ・・意味・・でございますか」
 私「“マスト”ってフランス語じゃないですよね?」
 店員「・・申し訳ございません、ちょっと判りかねます」


というわけで、この時も礼儀正しい店員さんを困らせただけで終わってしまいました。たぶんあの後、彼女は何らかの方法で自社の商標の意味をいそいで勉強したんではないかと思います(してくれたと思いたい。でないとただの店員さんイジメ)。


 先輩と今はもう連絡を取り合うこともなく、お知らせする手段も無いのだけれど、もし声が届くなら言ってあげたい、白松がモナカの謎が解けましたよ!」と。

*1:とは言っても、尋ねてみたかったのはホント。現在なら企業の公式サイトなど調べる方法がありそうですが、当時はむろんインターネット紀元前。