最近観たもの書き忘れたもの


 画像は昨日の日記に載せたアップルパイ。手作り感いっぱいでウマー。

 主人公の妻が好みのタイプでなかった(金髪でもう少し儚い感じを希望)のと、「海」が殆ど描かれてないのが不満。そしてステーション乗組員(?)たちが全然科学者ぽくなかったのが致命的。原作の大切な要素のひとつは、科学[者]の苦闘と敗北感だったと思うので。大きく進歩したり停滞したりしつつ長年にわたって営々と積み重ねられてきた・・・はずの「ソラリス学」が、結局なにものでも無かったのでは?という虚しさ怖さの厚みが無いと、ただの異生物ホラーみたい。改めてタル版を観たい。

 Wikipediaではダンス・ウィズ・ウルブズ』との類似が指摘してあったけど、私には『刑事ジョン・ブック』→『ロード・オブ・ザ・リング』しか思い浮かばなんだ(--;)。怪我が治るまで不思議な村に滞在する異人さん、不快&違和感を押し殺して世話をする村の女。でも小雪=おたかさんは、ケリー・マクギリス演じる恰幅の良い(^^)農家の主婦よりも、エオウィンに近い雰囲気ですね。村はホビット庄とローハンを混ぜたようだし・・・
 明治天皇に少し喋らせすぎたところがハリウッド映画的。七之助さんはとても良かったけど。それは中国やろ!?という音楽がほとんど無かったのは偉い。

 以前に一度感想を書いたけど、やっぱりこの映画好き。アラスカの風景、空気の感じもいいし、再度観てみて、女性の扱いがひどくない点にも自分が好感を持っていたのが分かった。
 ホテルのフロント係(『ER』のアビーの人)は過去にいろいろあってこの土地へ流れてきたという設定だけど、話はそれだけでサラっと流してあるし、彼女のキャラクター自体もあっさりしていて、“わけあり女”のステロタイプな感じがない(それだけにいったいどんな事情があったのか余計に気になる)。ヒラリー・スワンクの若手女刑事も(刑事物によくあるように)ことさら周囲の男から苛められてるふうでもなく、皆が淡々と仕事してるし、アル・パチーノも「なんだ女かよ」的な反応は全然しない人物にしてある。そこが最後に効いてくるのだと思う。
 同僚刑事を撃って死なせてしまったのはパチーノ自身だったことにスワンクは気づき、彼の口を封じるため故意に撃ったのかと問い質すのだが、パチーノにも事実はどっちだったのか判らなくなっている。最後には、両者の仕事に対する誇りと互いに対する信頼感が、スワンクに彼の潔白を信じさせる。不正はあったのだけど、刑事という仕事をそれ以上汚くは描いていないところが、私には好ましく思えた。楽天的すぎ?