これがショーン・ビーン。


 1983年に英国でじっさいに起きた、史上最大と言われる強盗事件を題材とした地味な作品。
 "ブラザー"と呼ばれるボス格の男が仕切る強奪事件で、危うい目に遭わされた主人公ミッキー・マカヴォイ(ショーン・ビーン)は腹を立て、自分の信頼できるメンバーを集め自分の主導で「大仕事」をやろうと企むのだが、手に入れたのが現金ではなく大量の金塊だったことから、仲間たちの運命が狂い始める。

 なんせ実話物なので、登場人物もストーリーも地味。そもそものプランが「警備員を仲間にひき入れる」ことで成り立っており、犯行がばれてマカヴォイが捕まってしまうのも「警備員が自白してしまったから」なので、サスペンス具合がショボいです。「 "ブラザー"の力を借りて早く金塊を処分しよう」「いまのうちに高飛びしろ」という仲間の忠告に耳を貸さず、逮捕されてからも「自分が服役を終えるまで金塊は動かすな」と言い続けるんだけど、そりゃ無理。最後は金塊の一部と引き替えに減刑を得ようとするのだが、シャバの仲間は彼を裏切って金塊を渡さず高飛び。南の島で楽しんでいる仲間たち、独房に戻され無言で落ちこむマカヴォイの悲痛な顔をじーっと映して映画は終わる。
 自分を、そして"仲間"を過信した哀れで情けない男、ミッキー・マカヴォイ。でもチンピラ顔のショーン・ビーン、本来こんな情けない、しょうもないやつがお似合いなのよね。ちなみにマカヴォイは懲役25年を宣告され、たぶんまだ服役中。


 この動画スチル集にも出てきますが、淡青と濃灰のクルーネックの重ね着?みたいなのが英国では囚人服なのかしら(マカヴォイだけでなく、一緒に捕まった仲間も同じ物を着ている)。なんか普段着みたい。