ジェレミー・ドロンフィールド『飛蝗の農場』(創元推理文庫) 読了。
タイトルの読みは『イナゴの農場』と思い込んでました。それと、ずっと気になってる(読みたい)『蜂工場』と混同してた気配( ̄∀ ̄;)A 。
読み終えた瞬間、解説・訳者あとがき(そしてたぶん多くの読者)と同じく、私も「・・・なんだ、これは?」という気分であります!
9/13の日記にちょこっと書いたとおり、某映画に似てる?と思ったのだけど、それはまぁ出だしだけ(悪天候のなかたどりついた一夜の宿、そして誰がだれなのか混乱した語り、etc.)。ややこしい構成に最初は戸惑うものの、のみこんでしまえば仕組みそのものは分かりやすく、謎解きよりもむしろ「冷たい港江」や「双子ちゃん」などの、次々登場する場面や人物の異様な魅力で読まされてしまうのが予想外だった。しかし、その恐ろしくも魅力的に描かれた細部のどこまでが本当にあった話なのか、どんどん疑わしくなり・・最終的に、女主人公のほうこそやや得体の知れない不可解な人物であったような印象と共に、置き去りにされる哀れな読者(というか、わたし)・・
同じ作者の『サルバドールの復活』にもまだちょっと未練あり。読むかも・・