人工網膜の研究に期待


(すぐに見られなくなってしまうので全文写します)

病気で失明した患者の目に、人工の網膜を埋め込み、視力を取り戻す治療法の実用化に向けた国内で初めての臨床試験を、大阪大学などの研究グループが、来年初めにも実施することになりました。

臨床試験を行うのは、大阪大学の不二門尚教授らのグループです。人工の網膜は、5ミリほどの大きさの基盤に、電流を流す電極が多数取り付けられたもので、患者の目に埋め込んで使います。目の代わりとなる小型カメラから、無線で映像を送ると、電極から微弱な電流が視神経に伝わり、患者には物の形を示す光の点が見えるということです。臨床試験では、目の網膜の細胞が壊れる「網膜色素変性症」の患者5人に、人工網膜を一か月間埋め込み、効果や安全性を調べる計画です。人工網膜の実用化に向けた臨床試験が、国内で実施されるのは、初めてだと言うことで、大阪大学の不二門教授は、「視力の回復には限界があるが、失明した患者にとっては、物の形がわかるだけでも非常に大きい。指の数を数えたり、茶わんの形がわかる程度の視力が得られると期待している」と話しています。