お話がわかりやすそうなファンタジー恋愛系だったのと、これまでMETライブビューイングでは幕間や楽屋インタビューで顔を観るだけだったルネ・フレミングの本職(!!)である歌を聴いておかなくては…というので観ました。
さいしょ、フレミングの声が高音と低音でぜんぜん違う音色になるのがちょっと気になったのだけど、最後まで来ると、冒頭の“恋に恋する乙女”だったヒロインが、終幕では恐ろしい“宿命の女”*1と変じて弱々しい人間の男を破滅へ拉っし去るあたりとちょうど呼応しているように思えて納得なのだった。
水の精と人間の王女様とのあいだでフラフラと何を考えているのかよく分からない王子様は、熱演ではありましたが、やっぱり何考えてるのかよくわからず。水の精たち(ルサルカの父親ヴォドニク、さいしょに出てくる機嫌の良い三人娘)や魔女の衣装、舞台の雰囲気が『ラインの黄金』や《指輪物語》の世界を連想させて楽しかった。
偶然、この頃読んでいたのが、
- 作者: 宇月原晴明
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/11/22
- メディア: 単行本
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おなじく異界の女に恋して破滅していく人間の男(たち)が出てくるお話、宇月原晴明『かがやく月の宮』。恐ろしいのは最初から破滅が運命づけられていて、しかもそのルールが、ゲームに参入してしまうまでは知らされないことだ、というのも共通している。