日本の創作人形作家たち展


 この美術館は、長い通路の奥に展示室の入り口があり、手前の受付で入場券を切ってもらったら、磨りガラス状の(中の見えない)自動ドアを通って入る仕組みになっている。
 平日の仕事帰り夜7時に到着、静まりかえった通路をいそいで抜け、「ごゆっくりご覧くださいませ」の声に送られて展示室に足を踏み入れたら、前方に客はひとりも見あたらない。背後で自動ドアが ぴたり と閉じ、そこには*1黒っぽい壁を背景に、ぐるりと人形たちだけが部屋を囲むように並んでいた。
 3分もしないうちに、若い男女二人連れ、年配の女性、とぽつりぽつりお客さんがやってきて、すぐに普通の空気が戻ってきたのだけど、あの瞬間はちょっと怖かった。


 既知の好きな作家として森小夜子・山口景子、そして今回はじめて知った作家として尾島佳子・中村弥麻紀の人形が気に入ったので、とりあえずメモ。

*1:私の記憶が確かならば