翼の生えた妄想

アドヴェンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ『白鳥の湖
マシュー・ボーン振付・1996年ロンドン)

 
 バレエをほとんど観ないので、基本形を知らないものがこれを観てもしかたないのではという気もしたのですが、『リトル・ダンサー』に不覚にも涙した私としては、あの後アダム・クーパーはどうなるの?という気分で(←なにか混同してますかね)、いちおうこれくらいは観ておこうかと。
 見始めてさいしょに気になったのは、この場合だと黒鳥はどういうふうにやるんだろう・・・という点。なんだか白鳥の時点ですでに相当黒っぽいというかデーモニッシュというか、(伝統的な女性の白鳥に比べると)そういう感じが含まれているという気がして。結論としては、黒鳥ももちろん相当かっこよかったのですが、女性版のような意味での落差は感じにくかった。
 それと全体に、白鳥たちの踊りが想像していた以上に鳥っぽいのは新鮮で感激しました。それに比べると、やはり黒鳥のシーンは、すごく迫力があったし良かったのだけど、結局どこかで観たような踊りなわけで、装置や衣装も含めてちょっと物足りず。
 一番びっくりしたのは、終幕ちかく白鳥が寝台から産まれて?くるところ、あれはもうちょっと引きのカメラで見たかった!ちょっとホラー映画っぽくて好き。
 これがすでに9年前の映像*1なのですが、これ以降どのように上演されているの気になります。

*1:舞台そのまま丸撮りではなく、一部映画風に撮られた映像が挟み込まれたようになっているのですが、じっさいの舞台でも映像を用いた上演だったのでしょうか?