グラマラスな映画2本

 5月に録画しといたのをやっと観る。アルバム『ジギー・スターダスト』より古い作品というと『スペース・オディティ』ぐらいしか聴いていないので、知らない曲がいくつも。ボウイはsinger、声と歌の人という気が改めてした。いくら変わり身が早くても、独特の声と歌い方は不変。若くてきれいで楽天的そうな(歌っている内容はそれなりに悲痛そうなのに)ボウイが画面の中にいる。でも30年以上経過して彼が激変したかというと、そうでもないところがすごい。
 前説のT見沢も言ってたようにミック・ロンソンは死んだし、この時から何人かの"ロック・スター"が遂げた死(なかには"Rock'n Roll Suicide"そのままの人も)のことを思うと、この不吉な予言のごとき歌をうたった張本人が、ドラッグで身を滅ぼしもせずハゲも肥満もせず、にこやかに還暦を迎えようとしていると思うと、なんかすごい詐欺師を見ているような・・・。「ジギー・スターダスト」というコンセプトがいわば生前葬というか、厄落としみたいな効果をもたらしたでしょうかね。それともやっぱり吸血鬼なんだろうか。あるいはサンジェルマン伯爵

 ジェフ・ライマンの小説『夢の終わりに・・・』を読んだときから、ぜひもう一度観たいと思っていた映画。子供の時に見た記憶はほとんど消え去っていて、黄色い道ぐらいしか憶えていなかった(笑)。マンチキン達が歌い踊る場面や、西の魔女が使う、翼を持つ猿(?)の一群が飛来する場面など、豪華で独創的なデザインや色遣いに驚いたし、後のファンタジー系映画あれやらこれやらに及ぼした影響は大きいことがわかった。子供の時はブリキ男がお気に入りキャラクターだったけれど、今回はライオンの大熱演に感心。特殊メイクの技術が発達した現在と違って、あの扮装とメイクで歌い踊り演技するのはさぞ大変だったろうな。
 ジュディ・ガーランドおよびこの映画がゲイ・ピープルに人気があるという点について、映画を観ればどこかピンと来るものがあるかと期待したのだけど、結局さっぱりわからなかった。

 ところで、「オズ」のシリーズはライマン・フランク・ボームが書いたものが14冊、その後もいろんな作者によって書き継がれ、合計40作は「公式なオズの話」として認められているんだとか。「クトゥルー」と同じですね。「オズ」ファンの方が作っておられるとても詳しいサイトがありました→真留子のオズのホームページ