おっとりマープルのほうが好き

NHK-BS アガサ・クリスティー特集 『名探偵ポワロ』&『ミス・マープル』

 ちょっと日が経ってしまったけれど一応メモ。よそ見しながらですが全て放映時に観ました。


 この時からずっと楽しみにしていた新「ミス・マープル」シリーズ。吹き替えが岸田今日子だったのがまずちょっと違和感。女優さん(ジェラルディン・マクイーワン)のイメージはむしろ吉行和子に近いのですが・・・
 それに、そもそも原作を読んでいない私には判らないのですが、母に言わせるとかなり改変されている部分もあるらしい(それやこれやで「論争を招いた」とWikipediaに書かれてました)。マープルが若々しくなったぶん、演出も少しモダンでお洒落な感じになっている印象ですが、冒頭で事件の概要や人物の関係がかなり慌ただしく説明されるので、ここを集中して観ていないと分からなくなってしまう。『ポワロ』の一時間枠のを観ているみたいな、いかにもTVドラマ的なテンポです。旧ジョーン・ヒクソン版のほうはかなり長尺だったので、お話の運びがゆったりと丁寧で、モッサリしてるけど判りやすかったかもしれない。それと、同性愛(犯罪の動機には関係あったり無かったり)がマープル+ポワロ合計で3作に出てきたのが気になった。クリスティーの原作にそんなに頻繁に同性愛が書かれていたのだとしたら、ちょっと意外。


 『ポワロ』のほうは、またミス・レモンもヘイスティングス大尉も出てこない3作で、ちょっと2人が恋しい(調べてみたら2003年以降はこの2人はキャスティングされていないみたい)。でも美術といい人物造形といい、安心してみていられる感じで、やっぱりスーシェのポワロは良いなぁと思いました。可能な限り作り続けて欲しいシリーズ。ただし『ポワロ』も原作からは相当改変されているらしく、ファンには評判よろしくなかったようです。


 ****などとボチボチ書いていたところへ、岸田今日子さん逝去の報が。ショックです。マープルシリーズも、どうなるのか気懸かり。